ninja

2013年5月12日日曜日

タイガーアンドバニーが描いた現代日本

タイガー&バニーというアニメーションがあるのだが、
全編見て良くできてると感心してしまった。

アメコミ風のヒーローが跋扈する街。
アメコミと違うのは
コスチュームに企業のロゴがあること、
それらヒーローはプロダクションに雇われたヒーローである、ということだ。

超能力で戦うというのはそのままアメコミなんだが
実際の活躍がテレビ放映され、
活躍によってポイントやギャランティーが変わるというもの。

ああ、ヒーローもサラリーマンになる時代になったのか。

当然活躍すればスポンサーの宣伝にもなる。
活躍することを半ば強いられているヒーローというのも皮肉だ。

もっとも現代風のコーポレートイズムだけではないのだが。

テレビ放映しているのはれっきとした犯罪の現場だ。
それを嬉々として放映するテレビマン、
子供達が見ている光景は気が狂っているようにも見えてしまう。
少なくとも正気の沙汰ではない。

社会学者の古市さんが著書の中で
現代の若者は震災すらネタとして楽しむ、というのに非常に酷似している。

2011年の震災以後デモが起こっているが、
それも一種のネタになっていた。
デモのようなイベントを
犯罪の様子に置き換えた感すらする。

しかしながら
働きマンで火災の様子を携帯で撮る群衆という話があったけれど
感覚的にはこれの先にある。
ケータイやカメラ、ディスプレイを介して距離をとって
世界を見ているようにしか見えない。
それこそ、自分のいる世界とは全く別な
バーチャルなものとして。

ヒーローになるはずだった男が犯罪でヒーローになれなかった、という話も

今の学歴社会に通じるものがある。
冤罪事件や、ほとんどの事件の黒幕は
テレビ局の社長とか。
これは小沢裁判を思い出すが。

小沢さんも冤罪だった。
そしてそれを誘導したのは検察でありテレビ局、マスコミだ。

それをネタとして祭り上げた。

アイロニーとして良くできていると感心しつつあると同時に
対策がないことに対して憤りすら感じる。

作品としてはものすごく面白かった反面
風刺としてものすごく刺さった。

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