ninja

2013年4月4日木曜日

今更聞けない欧州財政危機

今更な話だけど、欧州で起きてる混乱って何?
ギリシャ、ソブリン、デフォルトって何?


ということで
ユーロ危機の解説をしてみようかなと。

ユーロ危機を説明する前に
ユーロって通貨について。

こちらウィキペディアのユーロなんですが。

ユーロって元々EU諸国での流通の簡易化が目的だったんですな。確か。
要はフランス国内ではフラン
隣のドイツではマルク、というように
隣の国に行ったら通貨が使えない、ということをやめましょう
というお話。
各国同じ通貨であれば、物流も消費者も使いやすい。
そのため実際に貿易が活発化してます。
また同じ通貨なのでサービス価格もわかりやすくなったんです。
要は物の価格がわかりやすくなったので、価格競争がしやすくなった。
なので国を超えて企業間競争が活発化したんですね。

また中銀的にはインフレターゲットの達成
今日本で言うインフレ2%を達成するのにも一役買ってる。

ただこれって
通貨価値を固定させる、って事でもある。

韓国と日本を一緒の通貨にしたとしましょう。
まずあり得ませんけどね。


この場合問題が出てくるのが
韓国と日本、経済構造の違いです。

韓国はGDPにおいて貿易が占める割合は60%
日本は10%程度です。
よって仮に統一通貨が高くなったとき
日本はそこまで大きな打撃を受けないけど
韓国は国家破綻の恐れが出てくる。

物価についてもそうで
欧州は隣接しているから物価の差が激しくなりませんけど
ウォンは日本円の1/10。
よって高い円に統一通貨を合わせた場合
韓国の物価も1/10。
死にますw
その逆の場合(物価10倍)も死にますw

簡単に言えば、
経済構造とか経済状況なんかが同じ国でないと統一は出来ないんですね。
輸入大国と輸出大国が統一通貨なんか使うと特に。
政策も全く反対になるため
片方は富み、片方は破滅する、という構造になってしまう。

加えて基本中央銀行が紙幣発行権を持っている
政策金利の決定を行うのも中央銀行。
各国に中央銀行があるけれど、欧州の場合欧州中央銀行(ECB)だけができる。
ただし国債発行は出せるけど
紙幣発行と金利の二つをおさえられていると
どうしようもないところがある。


人件費の安い南欧にお金が流入したり、逆に高いドイツなどではサービスを安価にせざるを得なくなるなどもある。


実際欧州で起こっているのはそれらが原因で起こってる。

ドイツ、フランス、イタリア、スペインは経済成長率ほぼ0%
アイルランドは5%
当然経済政策はかわってくる。

またユーロの中は固定相場でも
ユーロの外、ドルや円に対しては変動相場。
よってユーロ外での取引が多い国はもろに影響を受ける。

ギリシャの財政問題でユーロ安になったため
ユーロ安で得をするドイツ、フランス、オランダあたりはインフレになり
他国ではユーロ安の影響で産業が伸び悩み
赤字国債が出て、財政が悪化してしまった国すらある。

通常であれば、粉飾決済したギリシャにペナルティーがいくはずが
欧州全体に波及してしまった。
それがプラスとマイナスで明暗が別れた形。

こうなったときにインフレになった国にインフレ対策をすると
財政悪化した国に打撃を与えてしまう。
その逆も然りで、どっちつかずの状況になってしまった。


で、前のECBの総裁はインフレ対策を実施
政策金利を上げた。
これでユーロは持ち直したものの、政策金利をあげた事で
債務国の財政を圧迫。
この頃にはもうユーロ高にして国内産業の安定を図ろうとしても
債務が大きすぎて政策金利上昇のダメージをもろに食らった形になった。

結果的にいえば
ギリシャの債券は年利回り150%越え。
日本が1%切ってるのを考えればどれだけすごい金利をつけてるか分かるかと。
その債務のうち半分放棄するという政策が出てしまったりする。

それでもまだ解決には至らないどころか
イタリアやスペイン、ポルトガルにも火花が、と言う状況。
それが最近キプロスに、というお話。

もっとも今は安定してきてますけどね。
ただ今後悪化する可能性もあるんですけど。

もう一回動乱があるとしたら来年以降ですが。

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